NST(栄養サポートチーム)
栄養療法とは
普段、私たちは当たり前のように食事を取っていますが、食事によって栄養を摂取することは、考えている以上に大切なことなのです。
食物に含まれる、タンパク質や脂質、炭水化物などの栄養素は、筋肉や血液などを作る材料や体を動かすためのエネルギーになり、人間が生きるためになくてはならないものです。
だからといって、特定の栄養を大量に摂取すれば良いというわけではありません。
栄養素のバランスが特に重要でエネルギーをきちんと取る必要があるのです。
病気やけがなどで食欲が落ちたり、食べることができなくなると、栄養が不足した状態になります。これを、低栄養状態といいます。
多くの施設において、入院患者さんのおよそ6割が低栄養状態になっているといわれています。
低栄養状態になると、病気の回復が遅れたり、手術後に感染症によって重い合併症を起こす可能性も高くなります。
そもそも、手術によって体にメスを入れることは、日常にはない状態をわざと作り出すこと。つまり、大きな負担を体に与えてしまうということなのです。
手術を受けた後は、傷を治したり、抵抗力を高めるためにたくさんの栄養が必要となります。
でも、充分な栄養が摂れないと、筋肉が減ることで体が痩せ、抵抗力も落ちてしまします。
これは、栄養状態が良好な方の手術前から退院までの栄養状態の変化をイメージしたものです。
手術によって栄養状態は短時間のうちに著しく低下、その後は、術後の栄養補給により徐々に上がっていきます。
つまり、栄養状態が良好な方でさえも術後の栄養状態は悪化するのです。
いうまでもなく、現在、栄養状態が悪い方の場合は、より一層、回復するのに長い時間を要して入院が長引くことになります。
このため、手術前に充分な食事が取れない場合は、適切な方法で栄養状態を良くしておく必要があります。
栄養状態が現在よりも更によくなれば、手術後の回復も早くなり、退院までの日数を短くすることができるのです。
必要な栄養量は人それぞれ。だから、それぞれの患者さんにあった方法で手術前に栄養状態を改善しておく必要があるのです。
体に必要な栄養を適切な方法で投与する治療法を栄養療法といい、今では、積極的な治療の一つとして考えられています。
栄養療法をおろそかにするとどんな治療も充分な効果が期待できません。
だから、栄養療法は治療の基本とも言われるのです。
術前に栄養療法を行う目的は、栄養状態を良くすることで術後の回復を促し、感染症などの合併症を予防することです。
栄養療法の目標は、できるだけ早く体を元の状態に近づけることにあります。
そのため、口から栄養をとる経口栄養が最終目標となります。









